乳化性クリームとワックス
- シューズボックス
- 2022年7月28日
- 読了時間: 3分
靴は定期的にお手入れをしてあげましょう……。
とはいいますが……。
そもそも、革靴のお手入れである靴磨きって、何のためにするのでしょうか?
靴を光らせるため?
そう考えた方は、不正解なのです。
太古の大昔、石器時代の出土品から骨で作られた針が出ていることから、古代人は皮革を縫い合わせて衣服や靴を作っていたと考えられています。
人類の歴史と共に様々な物に使用されてきた皮革製品ですが、昔の人々は少しでも良い状態で長持ちをさせたいと考えてました。
そこで最初は、革を光らせて表面を保護するために、ロウを革の表面に塗っていたのです。
しかし、残念ながらそれでは革を長持ちさせることはできませんでした。
ならば、油分があれば革が長持ちするのではないか?
ってことで、ロウと油を練り合わせたものを革の表面に塗るようになったのです。
残念ながら、油分を塗り込んだだけでは皮革を長持ちさせることは出来なかったのです。
そして長い時間をかけて、ついに人類は気が付いたのです。
そう。皮革製品には水分が必要なんだ!と。
水と油というのは混ぜ合わせることはできません。
しかしマヨネーズのように乳化させることは可能なのです。
そうして生み出されたのが「乳化性靴クリーム」なのです。
靴のお手入れ用品には、瓶に入っている乳化性クリームと、缶に入っているワックスというものが売られていますが、日ごろのお手入れとして使用するのは、瓶入りの乳化性靴クリームなのです。
人間だって乾燥肌になると傷つきやすくなり、あかぎれやひび割れという症状が出ることがあります。
皮革製品も元々動物の肌ですから、ちゃんとスキンケアをしないと乾燥肌になり、ひび割れになったりしてしまうのです。
皮革の品質を維持するためには、人間がハンドクリームや乳液で栄養補給するのと同じで、皮革製品にも定期的に上質な水分と油分を補給してあげる必要があるのです。
ここまで説明すれば理解していただけたとおもいます。
革靴のお手入れである靴磨きって、何のためにするのでしょうか?
靴の定期的なお手入れとは、皮革が乾燥肌になって痛まないように、乳化性のクリームで栄養補給をしてあげる。
この答えが正解なのです。
ちなみに缶入りのワックスは、革を光らせるための商品であり、皮革に対しての栄養はありませんので、そこを理解している靴マニアな方以外は使用しないようにしましょう。
シューズボックスの靴クリーニングとは、一足ずつ手洗いで靴を洗浄して汚れを洗い流し、その後、きっちりと革のメンテナンスをして一番良い状態にしてからお返しているのです。

靴クリーニング専門店シューズボックス
大阪市天王寺区石ケ辻町14-8
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